文化をグラフ化する本なのにグラフが見づらいのどうにかしてくれ/エレツ・エイデン、ジャン=バティースト・ミシェル『カルチャロミクス』

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

 

 膨大な書籍のテキストデータをビッグデータとして扱い、文化をさまざまな方法で定量的に計測するという研究で、人文科学の研究としてとても面白い試み。著者の研究者としての関心がどこにあるかがいまいちわかりづらく、かなり多くの分野をまたいでいるため、多少とっちらかっている感じはする。その一方でそれは、ビッグデータによる文化研究が「万能酸」のごとき強力さを持っていることのあらわれでもあるので、仕方ないといえば仕方ない気も。

ただ、本の内容とはあまり関係ない部分でかなり困ったのがグラフの見づらさ。この本に掲載されているグラフは、白黒なのになぜか線の種類が同じで、色の微妙な濃さの違いでどの線が何を表すかを区別しなければいけない。一応原書(の電子書籍のサンプル)を見てみたところ、そちらでもそうなっていたので、出版社に罪はなさそうではあるが。いやーでもこのグラフ見て著者らや編集者は何も思わなかったの?? ひー勘弁してくれ。