史料から見えてくるボンクラ信長の実像/金子拓『織田信長』
関わりの深かった戦国大名や家臣に対する信長の振る舞いを通じて、信長の人間性を明らかにしていくという試み。方法論としてはちょっと無理があり、これだけを読んで信長のことを完璧に解き明かす! ということにはならないが、信長の意外な人間性を見ることができるだろう。この本では足りない部分については、他の金子の本などを参考にしたい。
そして各種史料から見えてくるのは、信長の意外なまでのボンクラっぷり。足利義昭や上杉謙信や武田信玄と仲良くしようとするも、八方美人な上にコミュニケーションが下手くそすぎてすぐ信用を失うところとか、「革命児信長」よりよっぽど親近感が持てる。やや信長の対人関係にばかり注目しすぎている感じはあるが、それだけでも信長の意外な一面を明らかにできていると思う。
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- 作者:
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: Video Game
謎は謎のままで終わってしまった/「PSYCHO-PASS 3」
いやあ消化不良にもほどがあるでしょこれ。これがたとえば24分12話でやったとかなら、アニメというフォーマットの問題もあるし仕方ないと擁護できなくもないが、48分8話という変則的なフォーマットにしておいてこれだからね。時勢にあわせて移民ネタとかをいろいろ入れてきたのも、結局のところ結論部分でお茶を濁してしまってるせいで軽薄に見える。
テーマもあまりピンとこない。集団に対するサイコパスの測定っていうテーマは2期でもやっていたと思うので、あんま新鮮味を感じないんだよねー。上流階級に社会を牛耳ってマネーゲームをしている組織が存在する、っていうのもテーマとしてはだいぶ頭悪くて、もうちょっと細かく描写されるのであればまあ許せるが、描写不足のせいでただただ頭悪いだけになっている。
キャラクターは全体的には悪くないんだが、主人公の慎導灼だけはちょっとひどい。能力のメンタルトレースがほとんど超能力者めいているのは百歩譲って許すとしても、元軍人のイグナトフより身体能力高いところとかさすがに都合良すぎ。もう一人の主人公・イグナトフはいいキャラだと思うし、新しい執行官の面々もそれなりに魅力的だし、霜月課長の中間管理職っぷりとかもよかったので、全体的には悪くないんだが……。
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