面白かった本(2018/5)
5月に読んで面白かった本のまとめ。
アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』(クリスティー文庫、2003年)
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,羽田詩津子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 文庫
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超今更ながら初読。まあ思いっきりオチ知ってるのでだいぶ冗長な感じはありましたが、それなりには面白かった。というかこれってポアロシリーズなのねー。
舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日(上・中・下)』(新潮文庫、2011年)
テッド・チャン「ソウトウェア・オブジェクトのライフサイクル」(『S-Fマガジン』2011年1月号、早川書房)
やや話の流れは単調ではあるが、それでも十分魅力的。それにしても、「息吹」もそうなんだけど、チャンにロボットを書かせると異様に可愛くなるのよね。
夢野久作『瓶詰の地獄』(角川文庫、2009年)
『ドグラ・マグラ』の予習に。小品が多いのでなんとも言い難い。「死後の恋」が好き。
ジョン・クロウリー『古代の遺物』(国書刊行会、2014年)
読者に理解させる気のない話が結構あって、これどう読めばいいんだよ!!! ってなりがち。そんな中では「雪」「異族婚」は比較的ストレートでかなり楽しめた。
岡本裕一朗『フランス現代思想史』(中公新書、2015年)
フランス現代思想史 - 構造主義からデリダ以後へ (中公新書)
- 作者: 岡本裕一朗
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/01/23
- メディア: 新書
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ソーカル事件をちゃんと受け止めつつ、その上でフランス現代思想には何が残っているのかを丁寧に描き出したえらい本。レヴィ=ストロースとその他の構造主義者や、ポストモダン思想とフランス現代思想を明確に区別しているなど、かなり常識とは違ったイメージを描き出していておもしろい。
ロイ・バウマイスター、ジョン・ティアニー『意志力の科学』(インターシフト、2013年)
人間の意志はどのようなものなのかを解説した本。意志のもととなるエネルギーはグルコースなんだけどそのためには糖分を取らなきゃいけないから、ダイエットという行為は本質的に矛盾を抱えている、というくだりがめっちゃおもしろかった。
橋本治『青空人生相談所』(ちくま文庫、1987年)
「お悩み相談の文芸評論」といってしまっていいと思う。お悩み相談のちょっとした記述や書かれていないことから想像を広げていく手付きは見事。ただあまり賛同できない意見も多いかなあ。
オキシタケヒコ『筺底のエルピス』(ガガガ文庫、2016年)
悪くはないんだけど、逃走劇であんまり話が動いてる感じがしなかったり、SF的な仕掛けもあまり出てこなかったりと欠点も目立つ。まあ、4巻とあわせて前後編という位置づけのようなので、仕方ないといえば仕方ないが。
イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』(岩波文庫、2017年)
寓話ですなあ。とはいえ、右半身と左半身がまっぷたつになってそれぞれが良い半身と悪い半身になる、という無茶苦茶さは悪くない。