9月に読んで面白かった本のまとめ。
村田沙耶香『地球星人』(新潮社、2018年)
読んでると過去の村田沙耶香の本を次々と思い出す。詳細はここ。
佐藤哲也『ぬかるんでから』(文春文庫、2007年)
おもしろい。湿気の多いねっとりとした文体。「ぬかるんでから」「とかげまいり」「やもりのかば」「おしとんぼ」「祖父帰る」が好み。
鎌池和馬『新約 とある魔術の禁書目録(20)』(電撃文庫、2018年)
オールスターって感じの楽しさはある。
早坂吝『メーラーデーモンの戦慄』(講談社ノベルス、2018年)
上木らいちシリーズの集大成? ここ。
大澤めぐみ『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』(角川スニーカー文庫、2017年)

6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 大澤めぐみ
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よくある青春系エモラノベ……なんだけど、「環境と自由意志」みたいなサブテーマの練り込みと、群像劇という形式の活かし方が完璧で、ちょっと異様なクオリティになっている。脱帽しました。
ブレイディみかこほか『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』(亜紀書房、2018年)
まあ、北田暁大みたいなビックネームの人がちゃんと反緊縮主張してるのはありがたいですが、『現代ニッポン論壇事情』とかと印象は変わらず。やっぱいまいち決め手に欠けるんだよな~。
オキシタケヒコ『おそれミミズク』(講談社タイガ、2017年)
ホラーかと思ったら伊藤計劃だった。そこそこ面白い。
呉座勇一『陰謀の日本中世史』(角川新書、2018年)
日本史に蔓延る陰謀論を徹底論破。とともに、意外な陰謀を指摘したり、教科書に採用されているような古い通説を指摘して現在の通説を紹介したりと、かなり楽しめる。ただ最後の方はそこはかとない冷笑系感を感じてしまったのが欠点。