5月に読んで面白かった本のまとめ。
五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(1~5)』(ハヤカワ文庫JA、2011年)
クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 五代ゆう,前田浩孝
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: 文庫
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「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー」の原案小説。詳細はこことこことここ。
舞城王太郎『みんな元気。』(新潮文庫、2007年)
舞城のなかでもかなり不条理度高めな短編集。
矢部嵩『保健室登校』(角川ホラー文庫、2009年)
矢部嵩の短編集……なんだが、『魔女の子供はやってこない』とか『〔少女庭国〕』を書いた人と同一人物とは思えないくらい話のレベルが低い。「平日」がかろうじて面白みがあるくらい。ただ文体の魅力だけはそのままなので読めはする。
小飼弾ほか『Web開発の基礎徹底攻略』(技術評論社、2013年)
Web開発の基礎徹底攻略 (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 小飼弾,田籠聡,近藤宇智朗,並河祐貴,赤松祐希,井上誠一郎,ミック,天尋左石,和田裕介,WEB+DB PRESS編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2013/07/23
- メディア: 大型本
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プログラミングの基礎を抑えたい人がWeb開発をしたい/する必要があるときに最初に読む本、という感じ。
クリストファー・プリースト『魔法』(ハヤカワ文庫FT、2005年)
- 作者: クリストファープリースト,Christopher Priest,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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や、ややこしい……。けっこうおもしろいテーマではあるんだけど、オチがよくあるメタフィクションであるのと、前半がかなーり地味なのが残念。
坂井豊貴『暗号通貨vs.国家』(SB新書、2019年)
暗号通貨の思想的な背景がわかっておもしろい。一方、ブロックチェーンなどの仕組みを数字を使わないで解説しようとしている部分は、結局あまりわかりやすくなっていないところがつらい。ちゃんと数式読めってことですね。
石黒達昌『平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,【完全版】』(アドレナライズ、2018年)
平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,【完全版】
- 作者: 石黒達昌
- 出版社/メーカー: アドレナライズ
- 発売日: 2018/11/12
- メディア: Kindle版
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斎藤美奈子『日本の同時代小説』で表題作の存在を知り、興味が出たので読んでみた。圧倒的なリアリティを持つフェイクドキュメンタリー小説です。ただ、4作収録されているうち、2作がもう2作の改稿なのは、初心者に優しくないかも。
山下博司『古代インドの思想』(ちくま新書、2014年)
古代インドの思想についての本のはずなんだが、半分くらいをインドの自然環境の説明に割き、自然環境と思想との関わりを考察している。若干環境決定論気味ではあるが、それでもおもしろいものはおもしろい。
里見直「That's catch 22(前・後)」(『デジタル・デビル・サーガ アバタール・チューナー ザ・マスターガイド(1・2)』メディアワークス、2004年)
デジタル・デビル・サーガ アバタール・チューナー ザ・マスターガイド〈1〉 (電撃プレイステーション)
- 作者: 電撃プレイステーション編集部
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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デジタル・デビル・サーガ~アバタール・チューナー~ザ・マスターガイド (2) (電撃プレイステーション)
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/08
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アバチュの外伝小説だが、主に現実サーフの人間性に重きをおいた感じ。ミステリーとしては悪くないかも。
五代ゆう「DOGDAYS」(『ファンタジアバトルロイヤル』2004年11月増刊号、富士見書房)
こちらも外伝小説(厳密には、『クォンタムデビルサーガ』の外伝)。まあ大した内容ではない。
グレッグ・イーガン『祈りの海』(ハヤカワ文庫SF、2000年)
- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 文庫
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なんか全体的に地味なんだよなー。強いていえば表題作「祈りの海」と「繭」が好み。
大樹連司『勇者と探偵のゲーム』(一迅社文庫、2009年)
おーおー。セカイ系批判とかに対する真っ向勝負。
アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に』(国書刊行会、2013年)
なんか全体的にしょぼい。ボルヘスは『モレルの発明』を「語り手が出来事を省略したり歪曲することで数々の矛盾が生じる。平凡であれ荒唐であれ、ほんのわずかな読者だけしか、事実を読み解く事ができないとしたらどうか」と評したけど、この短編集の作品はそういう発想とは真逆だと思った。
冲方丁ほか『ゼロ年代SF傑作選』(ハヤカワ文庫JA、2010年)
良くも悪くもゼロ年代のSFを集約したアンソロジーになっていると思う。詳細はここ。
一柳凪『みすてぃっく・あい』(ガガガ文庫、2007年)
ある種のミステリーとしてけっこう面白い。でもこれSF要素不要じゃね?
米澤穂信『米澤穂信と古典部』(KADOKAWA、2017年)
いろいろなインタビューとか詰まってるのでファンアイテムとしてはまあまあ。ただ、古い文章も多いのに初出が書いてないのがつらい。書き下ろし短編も微妙。