読んだ本(2019/9)

9月に読んだ本のまとめ。

 

 

三井誠『ルポ 人は科学が苦手』(光文社新書、2019年)
ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から (光文社新書)

ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から (光文社新書)

 

 なんかちぐはぐなんだよなー。詳細はここ

 
伊藤計劃伊藤計劃映画時評集(1~2)』(ハヤカワ文庫JA、2013年)
Running Pictures―伊藤計劃映画時評集〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

Running Pictures―伊藤計劃映画時評集〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

 

 スノッブのにーちゃんが映画についてくっちゃべってる本。皮肉っぽい文章書かせるとほんとに魅力的。

 
伴名練『少女禁区』(角川ホラー文庫、2010年)
少女禁区 (角川ホラー文庫)

少女禁区 (角川ホラー文庫)

 

 『なめらかな世界と、その敵』がすさまじく面白かったのでこちらも読んでみた。表題作は、ベタすぎる設定に見せかけてオチがかなり意外性があるのでよかった。併録されている「chocolate blood,biscuit hearts」はラノベに毛が生えた感じでよくわかんなかった。

 
西崎憲編『ヒドゥン・オーサーズ』(惑星と口笛ブックス、2017年)
ヒドゥン・オーサーズ Hidden Authors (惑星と口笛ブックス)

ヒドゥン・オーサーズ Hidden Authors (惑星と口笛ブックス)

 

 こちらも伴名練目当てで内容もよく見ずに買ったんだが、詩とか短歌の割合がかなり多く、詩とかにあまり興味のないぼくとしては「やられたーーー!!!」感。大滝瓶太「二十一世紀の作者不明」と伴名練「聖戦譜」がよかった。

 
藤井太洋ほか『伊藤計劃トリビュート』(ハヤカワ文庫JA、2015年)
伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

 

 伴名練目当てその3。やはりというべきか伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」が圧倒的な存在感を放っていた。『屍者の帝国』オマージュとして原作とはまったく違ったストーリーを繰り広げたかと思ったら、終盤に別作品が混ざってくるというとんでもない構成。魂の重さという手垢にまみれた話にもスパイスを加えてSFアイデアとして活用しており、おまけにフランケンシュタインナイチンゲールのボーイミーツガールという意味不明な要素まで成立させている、衝撃的な一作だった。

その他は……パッとしない短編が多くいまいち。伏見完「仮想の在処」は、延々とSF的技術を使用する際のリソースの話をしていたのが新鮮で印象に残ったけど、それぐらいかなあ。
 
舞城王太郎スクールアタック・シンドローム』(新潮文庫、2007年)
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

 

 舞城王太郎ファンの間ではとても評判のいい短編集。ただぼくそんなにハマらなかったのよねー。舞城的な暴力に若干嫌気が差してるってのがあるのかも。「我が家のトトロ」が一番安心して読めた。

 
深堀骨『アマチャ・ズルチャ』(早川書房、2003年)
アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

 

 このくだらなさは木下古栗に近い。「トップレス獅子舞考」がよかった。