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肩透かし/野崎まど『ファンタジスタドール イヴ』

書評 小説 SF

 

 野崎まどだからと期待してみたはいいものの、盛大に肩透かしを食らったと言わざるを得ない。いつもの野崎まどのようなぶっ飛びっぷりはないし(メディアミックスだからしょうがないのかもしれないけど)、野崎まどファンだからといって読む必要はないと思う。もちろん面白いか面白くないかでいえば面白いの部類に入れられる程度のクオリティは保ってるんだけど、わざわざこのためにアニメ見るのは……。

 

擬昭和文学とでもいうべき文体は、決して悪くない。ついでに太宰治とか谷川俊太郎とか大化期の天皇家周辺とか引っ張ってきて、雰囲気作りも頑張っている。

が……SFとしてはどう考えてもイマイチ。「ファンタジスタドール」世界のSF的な説明を義務的にしました、といった感じで、それがわかることによって実はアニメ「ファンタジスタドール」には明示してない裏設定があるということがわかるようになってて……みたいな方向には持っていけているんだけど(このことについてはこのtogetterのまとめなどが詳しい)、『イヴ』単体としてはあまり見るべきところはないと思う。どこかで見たことのあるようなSFと、どこかで見たことのあるような昭和文学を組み合わせたことによる新鮮さはあるけど、それだけじゃあ衝撃は受けません。ついでに、なぜ女の子を召喚するデバイスがカードなのか、という問題についても未解決のまま。

おねショタとかNTRとか、そういう異常性癖好きな人にでもおすすめすればいいんでしょうか。他の人には特別すすめようとは思いません。