延々と関係性を付与し続ける究極の群像連作短篇集/やまもり三香『シュガーズ(1〜6)』

このマンガの構成は独特である。ただしやってることは至極単純で、人物を登場させ、その間に関係性を与え続けるだけである。それだけならどの少女マンガでもやっている。

『シュガーズ』がそれら普通の少女マンガと違うのは、それを群像劇という形でやったところ。するとどうなるか。関係性の増えるスピードが、格段に上昇するのである。この漫画はたった6巻しかないのだけど、それだけでも関係性が複雑すぎて、(少なくともぼくには)まったく把握のできない関係性の集合体となっている。

これはぼくの持論なんだけど、少女マンガは関係性を楽しむものである。そういう立場を取るとするのであれば、このマンガは究極の少女マンガといえるだろう。