伊藤計劃『虐殺器官』の痛覚マスキングは著者の実体験が元ネタかも

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃のブログを読み漁っているんだけども、意外なところから作品とのつながりが見えるのが面白い。その一つが、伊藤計劃は病気の影響で右足の痛覚が失われたようで、そのせいで怪我などもしているというエピソード。これ、『虐殺器官』の「痛覚マスキング」(痛みは感じないけど痛みのクオリアは感じるっていうアレ)の元ネタなんじゃね? ここから痛みがないと不便だというアイデアを思いついて、痛覚マスキングという設定に昇華させたんじゃないかな。

まあそんなにすごい発見ではないけれども、こういった言及を見た記憶がないので(軽くネットで調べた限りだと、同じようなことをいっている人はほとんどいなかった)。あと、伊藤計劃の病気はどうしても『ハーモニー』と結びつけられることが多いので、『虐殺器官』とのつながりも指摘しておくことは多少は有益だろう。


伊藤計劃記録 Ⅰ (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃記録 Ⅰ (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃記録 Ⅱ (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃記録 Ⅱ (ハヤカワ文庫JA)