10月に読んだ本のまとめ。
岩本薫『もっとヘンな名湯』(みらいパブリッシング、2020年)
前著よりも奇を衒ったような温泉の紹介が多めでうーんという感じ。
孤城という学校で成長していく少年少女のお話。詳細は
ここ。
福間良明『「働く青年」と教養の戦後史』(筑摩選書、2017年)
戦後~高度経済成長期の、高校や大学に行けなかった人たちの草の根教養文化について書いた労作。ぼく自身がこういうブログをやっていることもあり、わりと共感できる部分も多かった。
ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック『選挙制を疑う』(法政大学出版局、2019年)
抽選による議会という提案や現状の解説がまず興味深い。そして、そのような提案が一見突飛なように見えるものの、実のところかなり伝統があり、選挙という制度がつい最近作られたものだということを示しているのも面白い。
円城塔『シャッフル航法』(河出文庫、2018年)
全体的に、
円城塔の小説の中でもだいぶ掴みどころのない感じが強い。「イグノラムス・イグノラビムス」「Φ」あたりは比較的ついていきやすかった。
木下古栗「Oh! マイアイドル」(『小説すばる』2016年1月号)
古栗が、
スコット・ウォーカーというミュージシャンについて語っている。わりと自作解題っぽくも読める。
木下古栗「読書日録」(『すばる』2017年4〜6月号)
薄々感じてはいたが、古栗ってわりと関心の対象が俗っぽく広いんだなというのが再確認できた。
表題作は
芥川賞受賞作なんだが、圧倒的に地味すぎてなんとも。描写の密度はまあいい感じなんですが、ちょっと長い感じがあり、「工場」みたいに露骨に不条理でもないためとっつきづらい。残り2作は短いのでそこそこ。
山本順一編『新しい時代の図書館情報学 補訂版』(有斐閣アルマ、2016年)
図書館学の教科書。まあコンパクトにまとまってはいるし、トピックとかもそれなりに充実していると思う。