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面白かった本(2016/9)

9月読んで面白かった本のまとめ。

 

 

早坂吝『誰も僕を裁けない』(講談社ノベルス
誰も僕を裁けない (講談社ノベルス)

誰も僕を裁けない (講談社ノベルス)

 

 史上初の社会派ミステリーだそうな。詳しくはここ

 
 東京大学生命科学教科書編集委員会『文系のための生命科学』(羊土社)
文系のための生命科学

文系のための生命科学

 

 「文系のための」とか「教養としての」とかいう言葉はだいたい「バカ用の」っていう言葉の婉曲表現であり、この本もご多分に漏れずそういう面もある。でもその一方で、生命科学の応用や生命科学と倫理・社会との関係など、細かいことは抜きにして派生する諸問題を抑えようという試みもされているので、教科書としてたいへん便利だと思う。

あとまあ、いろんな大学で文系の教養科目の教科書として使われてるからか、やたら中古品が多い。なので書き込みを気にしなければ非常にお安く手に入れられます。

 

ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』(新潮文庫
予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

 

 物理的にはくっそ薄いのに内容はやたら重厚。その重厚さがかならずしも面白さにつながっているとはちょっと言いがたいけど、まあこれだけ濃厚だったら別にいいかな。

ガイブンの人がこれをすすめずに『百年の孤独』をすすめる理由はちょっとわかった気はする。でも「大きな翼のある、ひどく年取った男」とかが入ってる『エレンディラ』(ちくま文庫)をすすめる人がいないのはまだ不思議。ま、『百年の孤独』への期待も高まりますな。

 

 梶井厚志『戦略的思考の技術』(中公新書
戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)

戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)

 

 書名詐欺。でもいい本。ここ

 

 山本義隆『原子・原子核原子力』(岩波書店
原子・原子核・原子力――わたしが講義で伝えたかったこと

原子・原子核・原子力――わたしが講義で伝えたかったこと

 

 物理も科学史も原発批判もやってくれる! ここ

 

斎藤美奈子『紅一点論』(ちくま文庫
紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)

 

 子供向けアニメに関する分析は結構迂闊なところも多い。けど大筋は変な話だとは思わないし、伝記の分析はかなり面白い。伝記のほうが明らかに定量的にも定性的にも評価しやすいはずだから、当然といえば当然だけれども。

 

クルーグマンクルーグマン教授の経済入門』(ちくま学芸文庫
クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)

クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)

 

 「ヤマガタ先生の経済入門」です。かなりの訳注と補足があるので、7割くらいはクルーグマンの本だけど3割くらいは山形浩生の本になってる。ついでに邦題を「経済入門」にしちゃってるのも、マーケティング優先って感じでげんなり。「期待できない時代」でよかったと思う。でもインフレとか生産性とかについてのエッセンスがつまっていていい本。

 

 落合陽一『魔法の世紀』(PLANETS)
魔法の世紀

魔法の世紀

 

現代~未来のアートのアウトラインとして優秀。ここ

 

 殊能将之『キマイラの新しい城』(講談社文庫)
キマイラの新しい城 (講談社文庫)

キマイラの新しい城 (講談社文庫)

 

 かなーーーーーーーり人を選ぶミステリー。バカミス性能は一級品ではあるんだけど、幽霊がどうこうとかもかなり独特な作り方でまさにキマイラ。ぼくはきらいじゃないけどね。

 

 篠田航一、宮川裕章『独仏「原発」二つの選択』(筑摩選書)
独仏「原発」二つの選択 (筑摩選書 136)

独仏「原発」二つの選択 (筑摩選書 136)

 

 ドイツとフランスの原発事情のルポ。ここ

 

柳下毅一郎『皆殺し映画通信 天下御免』(カンゼン)
皆殺し映画通信 天下御免

皆殺し映画通信 天下御免

 

 読んでるとなんだかだんだん剛力彩芽が好きになってきます。ふっしぎー!

 

メイナード=スミス『生物学のすすめ』(ちくま学芸文庫
生物学のすすめ (ちくま学芸文庫)

生物学のすすめ (ちくま学芸文庫)

 

 機械論的な側面を重視した、生物学の啓蒙書。半分ぐらいは進化の話ですが、進化論の大家なのでしゃーない。

 

山崎元大橋弘祐『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)

 世の中美味しい話はないっていう本。「株で大儲け!」みたいな能天気な本よりはよっぽどマシだと思います。