読んだ本(2019/11)

11月に読んだ本のまとめ。

郝景芳『郝景芳短篇集』(白水社、2019年)

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

  • 作者:郝景芳
  • 発売日: 2019/03/21
  • メディア: 単行本
いい意味で、オリエンタリズム的な「中国っぽさ」が薄めでよい。詳細はここ

法月綸太郎『雪密室』(講談社文庫、1992年)

雪密室 (講談社文庫)

雪密室 (講談社文庫)

ミステリーとしてはまー平凡もいいとこなんですが、キャラクター小説として読むとわりと続編が気になる。あと文庫版あとがきの切実さはすごい。

有栖川有栖、安井俊夫『密室入門』(メディアファクトリー新書、2011年)

密室入門! (ナレッジエンタ読本14)

密室入門! (ナレッジエンタ読本14)

おもしろーい。建築評論としてもミステリー評論としても成り立っている。

ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密』(DU BOOKS、2018年)

小説の統計的分析についての本。詳細はここ

村田沙耶香『生命式』(河出書房新社、2019年)

生命式

生命式

突飛な設定とコンパクトさがすばらしい短編集。詳細はここ

鈴木たかのりほか『Pythonエンジニア ファーストブック』(技術評論社、2017年)

Pythonエンジニア ファーストブック

Pythonエンジニア ファーストブック

Pythonでのデータ分析関連の知識がほしかったが、そもそもPythonの書き方自体知らないのでとりあえずこの本を選択。他の言語をある程度知っている人向けに、超最低限のPython言語の特徴がまとまって載っていたのがよかった。データ分析関連の情報は、まあ最低限といったところ。スクレイピングとかWeb開発とかの情報もそこそこ詳しく載っているっぽい(流し読み)ので、そちらも興味出たら読みたい。ぼくの読書メモはここ

ポール・クルーグマンほか『未完の資本主義』(PHP新書、2019年)

わりと大物揃いのインタビュー集。ただまあ、こんな短いインタビューじゃあまともに議論なんてできないよね。まあそれぞれの本読めってことだと思う。

宮澤伊織ほか『アステリズムに花束を』(ハヤカワ文庫JA、2019年)

目当ての伴名練「彼岸花」は、血を動力源にしたガジェットのネーミングセンスと、大正時代の女学校の雰囲気づくり、そして綿密な情報のコントロールがとてもよい。また、櫻木みわ、麦原遼「海の双翼」は人間と鳥人人工知能の三角関係というよくばりセットで、異形の女(?)をうまく描けてる。

あとは……うーん。草野原々「幽世知能」は「あの世」を演算装置として使っちゃうとことか経済学っぽい議論とか村田沙耶香っぽい人物関係とか、いろいろ好きな要素はあるんだが、各要素のつながりが弱くて小説として不格好な感じ(嫌いではないんですが)。その他は正直あまりピンとこなかった。

ピーター・ワッツ『巨星』(創元SF文庫、2019年)

うへーむずかしい。興味関心がすごくぼくと被ってるのでワクワクはするんだが。このブログがめちゃくちゃ参考になる。「天使」、「遊星からの物体Xの回想」が比較的好み。

松尾匡編『「反緊縮!」宣言』(亜紀書房、2019年)

反緊縮のエッセイ集としてはわりとおもしろい。詳細はここ