学際の見本/金森修『病魔という悪の物語』

これは学際の見本だなあ。公衆衛生学であると同時にその科学史でもあり、歴史学の側面もあり、言語学やメディア学にも片足を突っ込んでいる。コロナ下の現在ということも踏まえて、読んで損することはないはず。新書でしかできない、蛮勇の本だと思う。欲をいえば、トロッコ問題に近い話ではあるので、道徳哲学みたいな部分とも接続してほしかった。